前回までの記事で、送信サーバーのpostfixと受信サーバーのdovecotの設定、SMPT認証まで解説しました
今回はメールクライアントであるThunderbirdを使って、実際にメールの送受信を行います
1.Thunderbird(サンダーバード)とは
Thunderbird(サンダーバード)とは、Mozilla(モジラ)財団が開発している無料のオープンソースのメールクライアントです
Thunderbirdは、Gmail や Outlook のようなメールサービスをパソコン上で使えるソフトです。ただし、Webブラウザで見るのではなく、アプリとして動作します
主な特徴
- 複数のメールアカウントを一元管理
Gmail、Outlook、自分の独自ドメインのメールなど、複数のメールアドレスを一つの画面でまとめて管理できます - POP3 / IMAP / SMTP に対応
自分で構築したメールサーバーにも接続可能。IMAPならサーバーと同期されるので便利 - カレンダー・アドレス帳の統合機能
予定管理や連絡先の管理も可能(アドオンも使えます) - オフラインでもメールが読める
メールをローカルに保存できるので、ネットが切れても閲覧可能 - セキュリティに強い
迷惑メールフィルタ、フィッシング詐欺の警告、暗号化などの機能があります - 拡張機能(アドオン)でカスタマイズ可能
必要に応じて見た目や機能を拡張できます
2.Thunderbirdの初期設定
Thunderbirdのインストールから初期設定までの手順を以下に説明します
1. Thunderbirdのインストール
- 公式サイトからダウンロード:
- Thunderbirdの公式ウェブサイト(Thunderbird Download)にアクセスし、使用しているOSに合わせてインストーラーをダウンロードします
- インストール:
- ダウンロードしたインストーラーを実行し、指示に従ってインストールを進めます
- インストール後、Thunderbirdを起動します
2. Thunderbirdの初期設定
- メールアカウントの設定:
- Thunderbirdを初めて起動すると、「メールアカウント設定」のウィンドウが表示されます
- 名前: メールアカウントに表示する名前(自分で決めてOK)を入力
- メールアドレス: あなたのメールアドレスを入力
- パスワード: メールアカウントのパスワードを入力します
メールアドレスは前回の記事の通り、username@ドメイン名になります
PAM認証を使っているならパスワードはLinuxのユーザーパスワードになります
- 手動設定(必要な場合):
- 受信サーバー設定(IMAP/POP3):
- 受信サーバー: go-pro-world.net(独自ドメイン名)
- サーバーポート: IMAPの場合、IMAPのポートは通常993(SSL/TLS)
- ユーザー名: Linuxユーザー名
- 接続の保護:SSL/TLS
- 認証方式: 通常のパスワード認証
- 送信サーバー設定(SMTP):
- 送信サーバー: go-pro-world.net(独自ドメイン名)
- サーバーポート: 587(STARTTLS)
- 接続の保護:STARTTLS
- ユーザー名: Linuxユーザー名
- 認証方式: 通常のパスワード認証
- 受信サーバー設定(IMAP/POP3):
- 設定を完了する:
- 必要な情報を入力後、「再テスト」ボタンを押して接続テストを行います。
- テストが成功したら、「完了」をクリックして設定を保存します。
3. メールの送受信
設定が完了したら、Thunderbirdでメールの送受信ができるようになります
受信したメールは受信トレイに表示され、送信したいメールは「新規メッセージ」ボタンで作成できます
まだセキュリティ的にGmailなどにはメールが届かないかもしれないのでメールテスター等のテストメール判定サイトなどを使うと良いと思います
これでThunderbirdのインストールと初期設定が完了です
次回はSPF、DKIM、DMARCなどのドメイン認証技術の設定を行ってメールの信頼性を上げていきたいと思います
コメント