python kivyを使ったゲーム Androidアプリ開発①

Python

今回はpythonのkivyというライブラリを使用して簡単なゲームを作成して、Androidにインストールできる形に変換する方法を解説したいと思います

長くなるので今回はkivyの概要と環境構築までを説明します

Kivyの概要

Kivy(キビー)は、Pythonでクロスプラットフォーム(Windows、macOS、Linux、Android、iOS)向けのGUIアプリを開発できるフレームワークです
主にモバイルアプリ開発に適しており、タッチスクリーンの操作にも対応しています


Kivyの特徴

  1. クロスプラットフォーム
    • 1つのコードでWindows、macOS、Linux、Android、iOSで動作可能
  2. オープンソース
    • MITライセンスのもと開発されており、自由に利用・改変できる
  3. GPUアクセラレーション
    • OpenGLを利用した描画を行い、グラフィックやアニメーションが高速に動作する
  4. 柔軟なUI設計
    • kv 言語を使って、視覚的にわかりやすいレイアウトを定義できる
    • ウィジェット(ボタン、ラベル、テキスト入力など)が豊富に用意されている
  5. タッチ操作対応
    • マルチタッチやジェスチャー操作をサポートしているため、スマホやタブレット向けアプリ開発に向いている
  6. モジュール化
    • PygameやPandas、OpenCVなどのPythonライブラリと連携可能

Kivyを使った開発の流れ

環境構築

pip install kivy

基本的なコード

from kivy.app import App
from kivy.uix.button import Button

class MyApp(App):
    def build(self):
        return Button(text="Hello, Kivy!")

if __name__ == "__main__":
    MyApp().run()

Hello, Kivy!というテキストが表示されるだけのサンプルコードです


Kivyの主な用途

  • スマホアプリ(Android/iOS)
  • タブレット向けのタッチ操作アプリ
  • 組み込みシステムのGUI
  • ゲーム開発(2Dゲームなど)
  • データ可視化アプリ

Kivyと他のフレームワークの比較

フレームワーク特徴
Kivyクロスプラットフォーム対応、タッチ操作特化、Pythonベース
TkinterPython標準ライブラリ、シンプルなGUI開発向け
PyQt/PySide高機能なGUI、商用利用にはライセンスが必要な場合あり
FlutterDart言語使用、モダンなUI、高速なパフォーマンス
React NativeJavaScript/TypeScript、モバイル開発特化

kivyを使ってAndroidアプリを作成

今回はKivyで作ったサンプルアプリをAndroidアプリ(APK)にする方法を紹介します

そのためにWSL2(Ubuntu 24.04)を使ってBuildozer というツールでAndroid用にAPKファイルをビルドしていきます

WSLについては以下の記事で紹介していますので参考にしてください


KivyアプリをAndroidアプリ(APK)にするための環境構築

① WSL2環境を準備

WSL2上でKivyとBuildozerを動かすには、以下のものが必要です

  • WSL2(Ubuntu 24.04)
  • Kivy
  • Buildozer
  • Java & Android SDK/NDK
  • 依存パッケージ(Cython, python3-dev など)

環境を作るためにまず、windowsのPowershellなどで、以下のコマンドを入力してWSLを起動します

WSL

② 必要なパッケージをインストール

WSL2のUbuntuで以下を実行

sudo apt update && sudo apt upgrade -y
sudo apt install -y python3 python3-pip python3-venv \
    build-essential git zip unzip \
    openjdk-17-jdk

Javaは openjdk-17-jdk をインストールしてください。Buildozerの最新バージョンはJava 17を推奨しています。


③ 仮想環境を作成(推奨)

KivyやBuildozerは仮想環境で管理するとトラブルが少ないです

まずは作業ディレクトリを作成します
これは今後の作業の不具合を避けるため、windows側でなくWSL側のほうが良いです

以下のコマンドでWSL側のホームディレクトリに移動します

cd ~

以下のコマンドで作業ディレクトリを確認してWSL側であることを確認します

pwd

#/home/ユーザー名 と表示されればOK

kivy用のフォルダを作成して、作業ディレクトリを移動します

mkdir -p ~/kivy_project
cd ~/kivy_project

仮想環境を作成します

python3 -m venv kivy_venv
source kivy_venv/bin/activate

④ Kivy & Buildozerのインストール

仮想環境内で以下を実行

pip install --upgrade pip
pip install kivy
pip install buildozer

確認: インストール後、以下のコマンドでバージョンをチェックできます。

buildozer --version

#Buildozer 1.5.0

長くなりますので今回は環境構築のここまでにします

次回以降の記事でkivyアプリのpythonファイルの作成、Android用に変換する手順を解説していきたいと思います

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